AMS dating bones

骨、歯、ツノのAMS年代測定

試料の必要量(推奨量)  (より少ない量でも測定可能です – 詳細はご連絡ください ご連絡先)
1-4 gの 熱が加えられていない骨、火葬骨、ツノ
2-10 gの 熱が加えられた骨
0.5-5 g の 完全に炭化した骨
1本か2本の人の歯
お薦めする試料の容器
骨、歯、ツノはジップロックバッグ
抽出したコラーゲンはプラスチックまたはガラスバイアルに入れてからジップロックバッグに入れてください。
お送りいただく際は輸送中の試料の破損を防ぐため封筒ではなく丈夫な小箱などを用いてください。
コラーゲン抽出に加え、限外ろ過も可能です。

Note – 炭素安定同位体(d13C)分析(measurement)、窒素安定同位体(d15N)(火葬骨を除く)分析、品質管理レポート(QA Report)、 暦年代較正、 24/7 アクセスのウェブデータベースによる結果の閲覧は価格に含まれています。 コラーゲンの抽出、炭酸塩の抽出には別途料金が必要です。

d13C およびd15N は安定同位体質量分析計(IRMS)によって測定いたします。炭化した骨、熱が加えられた骨の場合はd15Nの測定ができない場合があります。  熱を加えられた骨をお送りいただく場合は事前にご相談ください。

また、Beta Analyticは、火葬骨を除く骨コラーゲンでは、%C(炭素含有率)、%N(窒素含有率)、C:N(C/N比)、% collagen yield(コラーゲン収率)を無料にてAMSで測定いたします。

コラーゲン収率(% collagen yield)試験は、ご提出いただいた試料の少量のサブサンプルを用いて実施します。前処理のアルカリ処理はコラーゲン収率の際には行いません。アルカリ処理は汚染を取り除く一方で、コラーゲンの含有量を減少させ、誤った測定結果につながることがあるからです。重要:ご存知のとおり、コラーゲンの保存状態は骨全体で均一なわけではありません。つまり、コラーゲン収率試験で用いられる少量のサブサンプルが、骨全体を代表しているわけではありません。従って、コラーゲン収率の値を骨全体のコラーゲンの質を示す唯一の指標として用いるべきではありません。それは、重大な誤解を招くことになります。良質なコラーゲンにおいてはC:N(C/N比)、%C(炭素含有率)、%N(窒素含有率)の方がはるかに優れた指標となります。

試料の前処理 – 試料の 前処理 について理解することは、それが最終的な年代に直接影響を与えるので非常に重要です。 骨試料のコラーゲン抽出前に加えて、ご要望があれば 限外濾過 も行うことが可能です。限外濾過処理が必要な場合は試料の送付前にお知らせください。

– 大きめの骨(大腿骨、脛骨、上腕骨、顎骨、頭蓋骨、肋骨など)の場合、保存の良い皮質骨が最良の選択です。 臼状関節・脊椎などのスポンジ状の骨は保存状態が悪いことが多く、AMS測定に必要なコラーゲンが抽出できない可能性があります。 鳥、魚の骨に関しては,必要な試料量についてご相談ください。

– 人の歯の場合、完全な一本の切歯、犬歯が望ましいです。 臼歯の場合は4つの歯根が残っていることが必要です。動物の歯の場合は、動物の種類によって必要な試料量が異なります。 大型の哺乳類では、1本の歯で十分です。小型動物の場合は、必要量についてご相談ください。 

ツノ – 塊、小片、削ったもの、どれもC14年代測定に適しています。 粉状(パウダー)の試料については、ご相談ください。

抽出済みのコラーゲンの 放射性炭素年代測定もお引き受けいたします。 しかしその場合は、結果の品質に影響を与える化学処理およびコラーゲンの抽出が、弊社の管理外になるためISO/IEC 17025:2005の要求事項を満たすことができません。 そのため “bone collagen” ではなく “organics(有機物)” としてご報告いたします。

抽出済みのコラーゲンは、ジップロックバッグに直接入れず、アルミフォイルで包んでからジップロックバッグに入れてください。 もしくはガラスバイアルに入れてからジップロックバッグに入れていただいても大丈夫です。 

エナメル質の有機炭素濃度は非常に低いので、炭酸塩成分を分析します。 AMS測定のためには1本の歯で十分です。

水につかっていた骨もしくは水分の多い堆積物(sediments) から産出した骨は、測定に必要なコラーゲンが残っていない可能性がありあます。 事前にご相談ください。

ドリルなどで削られた粉状の骨は正確な結果を得るために必要な前処理を十分に行えませんのでできるかぎり避けてください。 年代測定の前に骨を削ってしまうことはお薦めできません。 ドリルで削るなどして粉状にする場合は、付着、侵入しているコンタミネーションを確実に落としてから行わなければいけません。そのためには、多くの場合、物理的に表面を削り落とす作業と化学処理が必要です。

火葬されていない骨は前処理でコラーゲンを抽出し、その年代測定を行います。 抽出されたコラーゲンの観察は結果の品質を測るために重要です。

骨はまず硬さを調べます。やわらかい骨はコラーゲンが残存していない可能性があります。(骨の基質となるたんぱく質が結晶質アパタイト中の補強材の役目をします。)

コラーゲンの保存状態を調べるために、物理的または化学的に表面を取り除いた後、すべてのアパタイト、炭酸塩を除去するために、冷希酸中でミネラル除去を行います。 その後コラーゲンは詳細に小根の有無を調べ、それがある場合は、酸を補充する際取り除きます。

この段階で、目視による詳細な観察を行いコラーゲンの品質を判断します。 もしコラーゲンの品質が良くない場合はご連絡し分析を先に進めるかどうかお伺いします。 コラーゲンの品質が良好な場合は、フミン酸や外因性の有機物を取り除くため水酸化ナトリウム(NaOH)で処理します。 この処理は、コラーゲンを破壊しやすいですが、C14年代測定用の純粋な試料を得ることができます。 最後の酸処理の後、乾燥しd13Cの測定を行います。 d13C の値が想定される範囲であれば、AMSによる年代測定に進みます。 そうでない場合はご連絡し年代測定を行うかどうかお伺いします。

コラーゲン抽出では、アルカリ処理を行う場合と行わない場合があります。アルカリ処理が可能な場合 ”With Alkali” はNaOHによって二次的に混入した有機物の除去が行われたことを意味します。 アルカリ処理が行えなかった場合 ”Without Alkali” はコラーゲンの状態が良好ではないためNaOH による処理を行わず、外因性の有機物除去が完全ではない可能性があることを示します。

限外ろ過膜によるろ過はフミン酸をさらに除去する過程です。ご要望がある場合は追加オプションとして可能です。(別途料金が必要です。)

Note – 限外ろ過によって必ず確度が向上するわけではありません。ろ過膜によって、フミン酸とコラーゲンを分別することを目的としますが、コラーゲンの保存状態によって必ずしもうまくいくとは限りません。 限外ろ過によって得た年代は、通常のアルカリ処理を行ったコラーゲン抽出 ”with alkali” によって得た年代と比較して、若くなることも古くなることもあります。個々の試料の埋蔵状態、保存状態によって、この処理が有効であるかどうかは異ります。

 

年代測定に用いられる骨のタイプ

どのタイプの骨か判断が難しい場合は、まず試料をお送りください。検証後どの測定方法が適しているかアドバイスさせていただきます

比較的低い温度の熱(600℃以下)を受けた試料は多くの場合、黒色、青色、灰色のパッチが試料に認められます。このような試料は、脂肪、タンパク質が完全に燃焼されていないので、アパタイトがstructural carbonateに変化しません。こういった試料は年代測定に適さないことがあります。

温度と埋蔵状態がこういった骨の年代測定が可能かどうかを決定します。熱を加えられた骨の年代測定が可能かどうか予測することは不可能です。 測定に可能なコラーゲンが抽出されることもあります。 またコラーゲンとは認定できない有機物しか抽出されないこともあります。 そのような骨から得られる有機物残渣はAMS年代測定が可能ですが、結果の解釈には注意が必要です。

前処理 – コラーゲン抽出, acid/alkali/acid wash

測定可能なコラーゲンが抽出されなかった場合の分析費用は発生しません。

骨試料にとって高温で熱せられることは年代測定にとって有利なイベントと成りえます。 コラーゲンが炭化するほどの温度で熱せられた場合、骨に含まれる炭素は非常に安定していて、コンタミネーションも起こりにくいです。また炭化物試料に行うのと同様、酸処理およびアルカリ処理を行うことができます。

外も中も完全に炭化しており、炭のかたまりのように見える場合は、低酸素下で600℃以下の熱で長い間かけて炭化した場合が多いです。オステオカルシンは完全に燃焼され、炭化した脂肪、コラーゲンが残存します。このような試料は年代測定可能ですが、試料の脆弱性から、前処理が酸処理のみ限定されることがあります。多くの場合、脆弱でフミン酸を取り除くためのアルカリ処理が行えません。

炭化した骨試料の年代測定の可否は、骨の炭化程度によります。 低温で炭化した骨は考慮が必要です。 炭化したタンパク質が残存している場合は、非常に良い試料です。こういった試料は、保存状態も良く、完全な前処理が可能です。 部分的に炭化している場合は、保存状態が良くないことが多く、腐食が進行している可能性があるので、完全な前処理を施すことができないか、炭化したタンパク質であるかどうか確定できません。

一般的に骨が完全に白色を呈している場合は、炭化したコラーゲンは残存していません。黒色または青色を呈している場合は、炭化したコラーゲンが残存している可能性があるかもしれません。 しかし、前処理をしてみないと測定可能かどうかわかりません。

炭化した骨の前処理後、測定ができないことが分かった場合の分析料金は発生いたしません。

前処理 – 強い acid/alkali/acid wash

熱を加えられていない骨は前処理によってコラーゲンタンパク質を抽出します。火葬骨以外の骨では、このタイプの骨が最も信頼性の高い結果を得ることができます。

コラーゲンの残存と保存状態が非常に重要です。 それは前処理の最中に検証されます。コラーゲンの品質が良好な場合は、前処理を(acid/alkali/acid washes)さらに進めます。 品質が悪い場合は、分析の中止についてご連絡いたします。

コラーゲンの品質が検証された後、炭素安定同位体(d13C)を測定し、値が想定される範囲であれば、AMSによる年代測定に進みます。 そうでない場合はご連絡し年代測定を行うかどうかお伺いします。測定を中止された場合でもキャンセル料金は発生いたしません。

acid/alkali/acid洗浄によるコラーゲン抽出 (リクエストによって限外ろ過も可能です)

骨が600℃以上の熱を受けると、コラーゲン、脂肪、タンパク質は完全に失われます。ほとんどの場合、これらの試料は外側も内側も白色を呈しています。 

骨が600℃以上で加熱されると、骨のオステロカロチン(アパタイト)は炭酸塩(structural carbonate) に変わります。 火葬骨の年代測定ではこの炭酸塩を測定します。 structural carbonateは汚染を受けにくく、変化しにくいので、良い年代測定試料といえます。 

火葬骨の年代測定において炭化したコラーゲンが無い場合は、炭酸塩分画の測定が有効です。この手法は、2000年の第17回International Radiocarbon conferenceで発表されました。 発表では高い熱を受けた骨の炭酸塩の年代と、同じ層準の炭化物試料の年代がよく一致することが示されました。  ただしこの方法は、コラーゲンや炭化したコラーゲンがない場合にのみ用いる方がよいでしょう。

最近の研究で、火葬骨の部位の違いにより、不完全な燃焼が起きる可能性があることがわかりました。 この検証のためには、2箇所の違う個所から採取した骨の炭酸塩をテストします。 2試料の炭酸塩が同様の状態であるならばAMS測定を進めますが、状態に不一致がある場合は測定をキャンセルするか、2つの年代の一致を確認するためにAMS測定を行うかどうかご相談いたします。(2か所の年代測定を行った場合は2試料分の料金が発生します。)

火葬骨の年代測定の際、コラーゲンや炭化したコラーゲンがない場合は炭酸塩の測定をお薦めします。 しかし、汚染された炭酸塩の完全な除去は保証されませんので注意が必要です。 もし燃焼の過程ですべての炭酸塩が失われていたら、残った酸化カルシウムが燃料起源の二酸化炭素と反応する可能性があります。 その場合は、燃料に起因する古木効果(old wood effect)を考慮しなければならない可能性があります。

骨のAMS年代測定についてさらに

PVA処理された骨の放射性炭素年代測定

骨の組成

骨の時間幅

骨試料のコンタミネーション

コンタミネーションがAMS年代測定結果に与える影響

骨試料の物理的な前処理

骨試料の化学的な前処理