同位体分別効果

安定同位体carbon-13 (13C) と carbon-12 (12C) の同位体分別効果は主に生化学プロセスによる炭素同位体の変動によって起こります。(Taylor, 1987)  変動は時間の経過に対しては独立しており元の値を保持します。 放射性炭素年代を算出する際、同位体分別効果の補正を行うことが通常の手続きとなっています。炭素安定同位体比:δ13Cを-25 o/oo (per mille)(VPBD)に”標準化”して年代を算出するきまりになっています。

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Beta Analyticでは炭素安定同位体の測定費用はC14の分析費用に含まれています。

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炭素安定同位体測定の意義

放射性炭素年代測定値を正確で精度の高いものにするために炭素安定同位体比の測定は重要です。 燃焼法または酸性化によって得られたCO2を分取し安定同位体質量分析計によって測定します。 

同位体分別効果の起因と測定

AMS lab

自然界において炭素の地球化学的な移動によって炭素の同位体(12C,13C,14C)の平衡分配に変動が起こります。 Craig (1953) がある生化学プロセスによってこの変動が起こることを最初に発見しました。 例えば光合成によってある同位体が優先的に選択されるため、光合成の前と後では同位体比に変化が起きます。光合成の後には大気中のCO2と比較してC13が1.8%減少します。(Harkness, 1979) 海水に溶けた無機炭素においては、大気中のCO2それと比較してC13が0.7%増加します。
14C/12C比は13C/12C比と比較しておおよそ2倍の同位体分別効果があります。測定試料に同位体分別効果が起こっている場合、安定同位体13C/12Cを測定することによって放射性炭素年の同位体分別効果を見積もることができます。

炭素安定同位体比は標準試料PDBに対する千分率δ13C(o/oo)で表します。(Keith et al., 1964; Aitken, 1990) PDB(Pee Dee Belemnite)はアメリカ・サウスカロライナ州の Pee Dee 層から産出するベレムナイトの化石です。最近ではPDB標準試料の枯渇のためVPDBが用いられます。(Coplen, 1994)

炭素安定同位体比は試料が産出した環境の情報を知るうえで重要な指標となります。 試料の安定同位体比は試料が存在した環境の安定同位体比を反映するからです。例えば海洋性の貝ではδ13Cは -1から+4 o/ooの範囲にあるのが一般的です。 一方陸生の貝では-8から-12 o/ooとなります。貝試料の生息環境が不明な場合は炭素安定同位体比を測定することによって推測することができます。

同位体分別効果は自然の作用以外でも起こります。 例えば実験の過程で、ある段階から次の段階に移る時、転換が不完全ですと同位体分別が生じます。 液体シンチレーション法の場合ですと、炭化リチウム処理時にアセチレンの合成が不完全ですと同位体分別が起こります。 同様に、真空ライン中でガスを移動させる際、全ガスが完全な平衡状態でなければ同位体分別が起こります。次の段階へ進むときに(e.g. 固体から気体へ、アセチレンからベンゼンへ など)転換が完全であればこのような同位体分別は起こりません。 

Conventional radiocarbon ages (BP) とC13/12 補正

Radiocarbon 誌のStuiver and Polach (1977)の著作によって放射性炭素年代(conventional radiocarbon age (CRA))が定義されました。 

The Conventional Radiocarbon Age BP は次式によって計算されます。

t=-8033 ln(Asn/Aon)

ここで -8033 は14Cの平均寿命 (Stuiver and Polach, 1977). Aon は現代標準のアクティヴィティ(cpm ). Asn は測定試料のアクティヴィティ(cpm )

Conventional Radiocarbon Ageは

  • リビーの半減期5568年を用いること
  • Oxalic Acid I or II もしくはそれに準拠するスタンダードを用いること
  • 安定同位体(C13)を-25‰に規格化することによって同位体分別の補正を行うこと 
  • AD1950を基準年(0 yBP) とすること
  • 過去から現在まで放射性炭素濃度は一定であったと仮定する

と定義されています。  また誤差は統計誤差を用い “±” と記されます。