注記 – 炭酸塩のサンプルの測定結果には、放射性炭素年代測定の他、d18Oとd13C測定が含まれています。d18Oとd13Cの測定は、同位体比質量分析計(IRMS)を使って放射性炭素年代測定と同時に無料で行われます。
ご提出者によるd18O値の解釈は、古水温研究や古気候復元に応用されています。
水の試料では 酸素安定同位体(δ18O)と水素安定同位体(δD)を測定 します。
前処理 – 最終結果に直接影響を与えるため、サンプルに施される 前処理 について理解していただくことが重要です。詳細はお問合せ下さい。
サンプルの適合性や重量に関してご質問がある場合は sumi@radiocarbon.jp までご相談下さい。
δ18Oの主な応用の一つが、古気候学における応用で、海や氷河、そこに含まれる化石が分析対象となります。 酸素安定同位体(δ18O)と水素安定同位体(δD)の値に影響する、主な工程は、蒸発と凝縮です。海水は一般的に、氷河の氷よりも高い割合でδ18Oを含んでいます。
δ18Oの値は、長い時間をかけ、温度と共に変化します。よって、δ18Oを測定することは、過去の気候を示すこととなり、氷河期と間氷期の間で、異なる値を示す可能性があります。氷河期では、海にδ18Oを多く含み、氷河氷にδ16Oが少ないのに対し、間氷期(全世界の平均温度が氷河期より暖かい)は、氷が解け、δ16Oが放出されることで、海にδ18Oが少なくなるため、この反対の結果となります。
Holli Riebeek, Paleoclimatology: the Oxygen Balance (2005), NASA Earth Observatory