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radiocarbon dating shells

貝、サンゴ、炭酸塩(CaCO3)の放射性炭素年代測定

試料の必要量(推奨量)  (より少ない量でも測定可能です – 詳細はご連絡ください ご連絡先)
   5-100 mg (AMS)
炭素年代測定サービスの種類
   AMS Standard(通常の納期) – 米国のラボで試料受領後14営業日以内に結果をご報告いたします。
   AMS Priority (特急) – 米国のラボで試料受領後6営業日以内に結果をご報告いたします。
   AMS Time Guide (超特急) – 米国のラボで試料受領後3~4営業日で結果をご報告いたします。 (骨または堆積物では対応不可)
お薦めする試料の容器
ジップロックバッグ(試料が小さい場合、あるいは輸送中に破壊されそうな場合はアルミホイルに包んでからバッグに入れて下さい)
お送りいただく際は輸送中の試料の破損を防ぐため封筒ではなく丈夫な小箱などを用いてください。
より正確な較正のためローカルリザーバー効果がおわかりになる場合は Delta+R / Delta–R を お知らせください。

Note – 炭素安定同位体(d13C)分析、酸素安定同位体(d18O)分析、品質管理レポート(QA Report)、 暦年代較正、 24/7 アクセスのウェブデータベースによる結果の閲覧は価格に含まれています。

試料の前処理 – 調査の目的に応じた最適な試料の選択と 前処理 を行うためにいつでもご連絡ください。 試料の前処理後(前処理前)に、弊社からのご連絡のお約束も歓迎いたします。

サンゴ試料の前処理 – AMSによる年代測定では、前処理後3mg以上のサンゴが必要ですが、試料の洗浄を積極的に行えるように (また品質管理プログラムに鑑み必要に応じ再測定が可能になるように)、50-100mgの試料をお送りいただくことをお薦めいたします。 貝、サンゴ、その他炭酸塩の試料の場合、プライマリーで状態の良い部分だけを測定できるように、物理的な削磨、酸によるエッチングを行います。 その結果、初期重量の10%-30%、もしくはそれ以上の重量が失われます。

粉状(パウダー)の炭酸塩 – 大気中の二酸化炭素(CO2)にさらされることは放射性炭素年代結果に影響を与える可能性があります。粉状の炭酸塩は、空気に触れる面積が大きいため大気CO2を吸収することがわかっています。 試料が古いことが予想される場合(>20ky)は長い間大気にさらされた粉状の炭酸塩試料の年代は若くシフトする可能性があります。

ドリルなどによる削磨、またはパウダーにする必要がある場合は(>20kyのような古い試料では特に注意が必要です)、作業を不活性ガス(N2,Arなど)中で行い、試料採取後なるべく小さなバイアルに入れてすぐにお送りください。 20kyより新しいことが予想されるような試料では不活性ガス中での作業は必要ありませんが、できるだけ大気との接触を避けるためになるべく小さなバイアルで保存しすぐにお送りください。 粉状(パウダー)の炭酸塩を長く保存することはお薦めできません。

結果のご報告 – 年代はConventional Radiocarbon Ageをご報告いたします。 必要な場合は percent modern carbon (pMC), fraction modern (fM), Delta-14C (D14C) または Δ14C のご報告も可能ですのでお申し付けください。

貝試料はAMSによる 放射性炭素年代測定 用の試料としてよく用いられています。 そのうちほとんどが軟体動物の貝(mollusk shells)です。

真の年代に影響を与える可能性のある要因がたくさんあるため、そのC14年代測定は必ずしも容易ではありません。 アメリカの物理学者で放射性炭素年代測定のパイオニア、ウイリアム・リビー博士は、その難しさを早くから指摘していました。

貝試料は、海域、汽水域、陸域のものに分類されます。 考えられる潜在的なコンタミネーションを取り除くために、試料がどの環境に生息していたものか知ることは分析機関にとって重要です。

貝は環境圏から貝殻を形成するために炭素を取り込みます。貝は有機炭素を海生または陸生の植物から取り込み、無機炭素を海水・淡水の重炭酸または大気中の二酸化炭素から取り込みます。

貝はconchiolinというタンパク質に炭酸カルシウムの結晶として形成されます。 conchiolinタンパク質は貝のわずか数%を形成しているだけなので、貝の年代測定には無機炭素を用います。 無機ではありますが、炭酸塩はその形成において生物圏のC14を取り込みますので年代測定が可能です。 貝の無機炭素は通常アラゴナイトかアラゴナイトとカルサイトの混合です。カキのような貝はカルサイトが占めます。

貝の炭酸塩は同位体交換や化学交換を起こしやすいため注意が必要です。例えば周囲の土壌中の炭素と貝の炭酸塩が交換した場合は年代値に影響を及ぼします。 このような交換は特に貝の表面でおこりやすいです。一方再結晶は、貝の内部までも影響します。アラゴナイトからカルサイトへの変換はC14濃度を変化させます。再結晶は通常、貝がモダンカルサイトと炭素交換することによって起きます。

貝の放射性炭素年代測定で考慮しなければならないリザーバー効果は、 海洋リザーバー効果 とハード・ウォーター(Hard Water)効果です。年代の最終的な算出には年代のオフセットの評価が必須となります。

海洋リザーバー効果は、表層の海水と深層の海水がゆっくり混合することによって生じます。 大気圏と生物圏の二酸化炭素経路による炭素交換の速度と、大気圏と海洋におけるそれは異なります。

大気と表層海水の二酸化炭素平衡は比較的速く達成される一方、表層海水と深層海水における二酸化炭素交換は非常にゆっくりです。 表層海水と深層海水では放射性炭素の減衰においてすでに違うステージにあります。大気圏でのC14のレジデンス・タイムは6年~10年程度であるのに対し、海洋におけるそれは1000年オーダーです。

湧昇流は表層海水のC14濃度を薄めるもうひとつの要因です。 湧昇流は緯度によって異なる現象で貿易風によって起こります。海岸地形、気候の違い、海底地形の違いなども湧昇流の要因です。 深層水のゆっくりした混合と湧昇流によって、表層海水と大気ではC14年代に違いが生じます。

淡水域の貝は海の影響は受けませんが、ハード・ウォーター(Hard Water)効果の影響を受ける可能性があります。 ハード・ウォーター(Hard Water)効果とは、非常に古い炭素を含むカルシウム炭酸塩の溶解によってもたらされるカルシウムイオンによる影響です。 カルシウムイオンの量によってそのC14の希釈効果を補正することができません。 淡水にライムストーンなどに帰する古いCaCO3が溶け込むことによって、試料の見かけ年代が古くなります。 この効果によってモダンであるはずの現生の貝の年代が古く出るという事例があります。その効果の程度は、数十年から数百年になる可能性がありあます。

ハード・ウォーター(Hard Water)効果は炭酸塩に富む淡水のフラックスが大きい地域の海生の貝についても考慮しなければ成らない場合があります。

貝試料のC14年代測定では、年代のオフセットを見積もるために、可能性のあるリザーバー効果はすべて把握しておく必要があります。核実験の影響がない「1950年~1960年以前の、同じ地域・同じ種の、年代のわかっている貝」の年代測定によって年代のオフセットを決定する必要があります。

Delta±R は海洋性の炭酸塩試料のみに用いられます。

海洋性の炭酸塩試料の年代に応じて、 200年から500年の補正 (グローバルなリザーバー効果)が自動的に適用されます。 この自動的な補正値は、現代の大気中二酸化炭素を海洋が取り込み平衡状態になるまで200年から500年かかることを意味します。

Delta±R 補正はグローバル・リザーバー効果を行った上で行います。 Delta±Rをお知らせいただければ、その値を加算または減算した上で暦年代の較正を行います。 ( Delta+R か Delta–Rによって異なります)

Note: Delta-R は年代を古くします。 (典型的には淡水による希釈のため)

1000 +/-30 BPの年代結果に対して、 Delta±R 補正を行った場合と行わない場合の例はこちら です。

ローカルな環境の違いにより、組織が炭素をどのように定着させるかという点はAMS年代測定を行う前に考慮しなければならない点です。 AMS lab はどのようなタイプのコンタミネーションがあるか把握する必要があります。 貝試料と接触し、C14濃度を変化させる可能性のある全ての炭素化合物が、コンタミネーションの要因となります。 炭酸塩、土壌のフミン酸、土壌CO2など様々な要因が考えられます。 同位体交換と再結晶が貝試料のコンタミネーションの要因として一番多いものです。 年代測定の際、これらのコンタミネーションを前処理によって可能な限り除去します。

酸によるエッチング (acid etch ), アルカリによる超音波洗浄、無処理のどれかです。

試料量が十分な場合は、二次的な炭酸塩を取り除くため半分以上エッチングします。 試料の選択にはこのことを考慮してください。 試料量が多いほど、前処理を積極的に多く行えるので良い結果が得られる機会が増えます。

物理的な 前処理 は薬品を使用せずに、目視できるコンタミネーションを削磨します。これによって試料のサイズが減少します。

ドリルやカーボランダム を用いてアラゴナイトを分離するまで表面を取り除きます。カルサイトは再結晶で年代測定に適しません。 カルサイトは白くもろいため容易に落とすことができます。

さらなる前処理を行うため、粉砕して表面積を増やします。

主要な化学処理の方法は、通常塩酸による洗浄を行い、貝試料の外部とカルサイト成分を落とします。

試料量が非常に少ないものに対しては、軽いエッチングのみ、またはエッチングを行わないことがあります。付着物がある場合には、アルカリによる超音波洗浄を行うことがあります。

参照資料:
Sheridan Bowman, Radiocarbon Dating: Interpreting the Past (1990), University of California Press