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放射性炭素年代の暦年代較正

放射性炭素年代の暦年代較正は、Conventional Radiocarbon Age(δ13C によって同位体分別を行った後のBP年代)に対して行われます。Conventional Radiocarbon Ageと暦年代の不一致は、太陽磁場活動による宇宙線の変動や、最近では 大規模な化石燃料の燃焼と核実験が原因となり起こります。地磁気の変動による影響は、長いスパンでの相違の原因になる可能性があります。

IntCal データベースによる暦年代較正

較正のために用いられるデータは、約12,000 BPまでは オーク、セコイア、モミの年代のわかっている年輪 の詳細な放射性炭素年代測定値に得られ、それより古く約45,000BPまではその他の手法を複合することによって得られています。それらのデータが統合され、国際的に認められているデータベースが構築されています。データベースは何度か更新され、現在のバージョンはIntCal13 (北半球)、 SHCal13 (南半球) 、Marine13 (海洋)です。

Beta AnalyticはIntCal-20 および Marine-20が利用可能になるまでは IntCal-13 および Marine13を使用いたします。

確率法 (High-Probability Density Range Method)

近年では数学的な統計処理を用い、95.4%確率、68.2%確率の 中で より詳細に確率分布を求める手法が採用されることが多くなっています。これらの確率分布は、より高いピークがより高い確率を示すというようにグラフィカルに表現され、それぞれの範囲に対する確率が記載されます。この方法を確率法 (high-probability density (HPD) range) といいます。

Beta Analytic の確率法:High-Probability Density (HPD) による暦年代較正

 

確率法による暦年代較正結果は、1測定値に対してのみ有効です。

1試料を複数回測定し、統計的に等しい複数の年代値が得られた場合でも(誤差内で一致した複数の年代が得られた場合でも)、それぞれの年代に対し異なる確率分布が得られる可能性があります。

今日ではこの手法は合理的であるとみなされ、査読付論文誌で認められています。査読者から確率分布を伴った暦年代較正への要求がますます多くなり、放射性炭素年代測定を行うBeta AnalyticはHPD法(確率法) による暦年代較正の提供を開始しました。

交点法 (Intercept Method)

それに対して、Beta Analyticではこれまで ”交点法” と呼ばれる手法を採用してきました。

交点法では、暦年代較正データベースから作成された較正曲線と、誤差を含んだ放射性炭素年代との交点から暦年代を決定します。 この手法では、複数の範囲の暦年代が得られた場合は、それぞれの範囲の確率は等しいとみなされます。

Beta Analytic の交点法による暦年代較正

 

この方法は、もっとも安全な暦年代較正法であり、Beta Analyticでは1995年から2017年まで採用していました。

海洋試料の暦年代較正

海洋の炭酸塩試料の暦年代較正には、 グローバルリザーバー効果およびローカルリザーバー効果 を考慮する必要があります。(Radiocarbon, Volume 35, Number 1, 1993)

淡水性の炭酸塩試料の場合は (hard water effectなどにより) リザーバー効果を特定することが難しいので正確な暦年代較正を行うことが容易ではありません。

注意を要する点

木や炭化物の場合、若い炭素を含む物質の混入はもちろんのこと、古木効果(old wood effect)の可能性も考慮されなければいけません。 炭酸塩試料の場合、リザーバー効果は理論値であり、実際の効果は多分に可変的である可能性があります。較正プログラムによる年代範囲は近似値として考慮されるべきであり、14C 年代で示される誤差(+/- X BP)は系統誤差(測定試料、モダンスタンダードおよびバックグランドスタンダードの計数誤差)のみを含みます。

ただし、試料の不均質さ、採取した年輪の位置(古木効果の可能性)、試料の再堆積、地域的なリザーバー効果など、不確定な誤差は常に定量が可能なわけではありません。したがって、較正暦年代の解釈をする際には、そういった不確定な誤差が含まれている可能性を検討するべきです。

最終更新:2020年6月