結果のご報告例

最終報告結果は「放射性炭素年代測定結果報告書」としてお送りいたします。 試料ごとに、測定方法、納期、試料の種類、年代(Conventional Radiocarbon Age, 暦年代)、前処理方法などをご報告いたします。報告書はE-mail, Fax, 郵送でお送りできます。日本語の報告書の例をご希望の方は、 sumi@radiocarbon.jp にお問い合わせください。

前処理の方法

前処理の方法 は それぞれの結果に記載されます。試料を代表する炭素を分離するために、個々の試料にとって最適な前処理方法が適用されます。

放射性炭素年代測定の結果を解釈する際、前処理を検討することが重要です。サンプルによってはfull pretreatmentが不可能なものもあります (例 acid washes only) 。その場合は、2次的に混入した炭素の影響を受ける可能性があります。また試料によっては前処理が不可能な場合もあります 。

AMSによる放射性炭素年代測定

AMSは、グラファイトターゲット(100%C)を加速器で分析します。多数のスタンダードおよびバックグラウンドも同一ホイールで分析されます。当試験所では現在2器の加速器が常時運転しております。最終的な結果は、同位体分別補正を行った後、暦年代較正を行います。

放射性炭素年代から暦年代への較正

Conventional Radiocarbon AgeはINTCAL13 または MARINE13によって暦年代較正を行います。Beta Analyticの較正プログラムでは、データセットの基となる測定値の誤差も考慮し、数学的な近似を行っています。 詳細につきましては下記論文をご参考にしてください。
A Simplified Approach to Calibrating C14 Dates, Talma, A.S., Vogel, J.C., 1993, Radiocarbon 35 (2): 317-322)

標準誤差

Beta Analyticでは、確度(accuracy)に対する誤解を避けるため、シングル測定に対して±30より小さい誤差では報告いたしません。 AMS測定での計数効率は非常に高いため、シングル測定における測定時間を増やせば、極端に小さい誤差を得ることは技術的には大変容易です。 しかしそれは見かけ上の誤差を小さくしているにすぎず、確度(accuracy)を含めた精度を高めることにはなりません。±30より小さい誤差で報告可能なのは、同一試料を、前処理からグラファイト化およびAMS測定にいたるまですべての工程を含めた繰り返し測定をした場合に限ります。 繰り返し測定を行った場合は、加重平均によって年代を算出します。