COVID-19 Notice: WE ARE OPEN AND OPERATING NORMALLY
Beta Analytic, as a laboratory, is considered an essential business under Florida's statewide Stay-at-Home Order. Taking the necessary measures to maintain employees' safety, we continue to operate and accept samples for analysis. IRELAND - Our forwarding office in Dublin is CLOSED at this time due to the current government restrictions. Please contact us BEFORE sending your samples so we can recommend you the best way to proceed.

同位体分別効果

安定同位体である炭素13 (13C) と炭素12 (12C) の同位体分別効果は主に生化学プロセスによる炭素同位体の変動によって起こります。
まず、変動は時間の経過に対しては独立しており元の値を保持します。1
そして、炭素年代測定法で測定した放射性炭素年代を算出する際、同位体分別効果の補正を行うことが通常の手続きとなっています。炭素安定同位体比:δ13Cを-25 o/oo (per mille)(VPBD)に”標準化”して年代を算出するきまりとなっているのです。


Beta Analyticでは、炭素年代測定時の炭素安定同位体の測定費用が炭素14分析費用に含まれています。


同位体分別効果補正のための安定同位体比測定

正確で精度の高い放射性炭素測定値を得るために炭素安定同位体(13C,12C)を用いた”同位体分別”の補正が必要です。
この同位体分別効果は、標準試料(modern reference standard)と測定試料における代謝および 呼吸回路の違いによって生じます。安定同位体の測定値は“δ13C”として表記されます。

Beta Analytic では2つの方法でδ13Cを測定します:

1.同位体分別補正用のAMSによる δ13C測定(AMS δ13C)
この値は弊社の報告書に記載されませんが、正確な“Conventional Radiocarbon Age”を算出するために用いられます。
※注意:報告する際の慣習で “Conventional Radiocarbon Age” は同位体分別補正後の年代を意味し ます。

2.安定同位体比測定質量分析によるδ13C測定(IRMS δ13C)。

この値が試料の真の安定同位体比を示します。
このIRMS δ13Cの値が、学術研究や論文等で必要とされるため、弊社の報告書ではこの値を記載します。

“AMS δ13C” を報告することは間違った解釈を与える可能性がありますので、
放射性炭素測定値を取り扱う場合、記載されているδ13C値がIRMS δ13C によるものか AMS δ13Cによるものか常に気を付ける必要があり ます。
もしそれがAMS δ13Cであるならば、それは食性研究や代謝回路の研究には用いることができませんのでご注意ください。
Betaから報告されるδ13Cは、すべてIRMSによるものです。

同位体分別効果の起因と測定

AMS dating lab equipment自然界において炭素の地球化学的な移動によって炭素の同位体(12C,13C,14C)の平衡分配に変動が起こります。
Craig (1953) がある生化学プロセスによってこの変動が起こることを最初に発見しました。
例えば光合成によってある同位体が優先的に選択されるため、光合成の前と後では同位体比に変化が起きます。光合成の後には大気中のCO2と比較してC13が1.8%減少します。(Harkness, 1979) 海水に溶けた無機炭素においては、大気中のCO2それと比較してC13が0.7%増加します。

14C/12C比は13C/12C比と比較しておおよそ2倍の同位体分別効果があります。
測定試料に同位体分別効果が起こっている場合、安定同位体13C/12Cを測定することによって放射性炭素年の同位体分別効果を見積もることができます。
炭素安定同位体比は標準試料PDBに対する千分率δ13C(o/oo)で表します。(Keith et al., 1964; Aitken, 1990) PDB(Pee Dee Belemnite)はアメリカ・サウスカロライナ州の Pee Dee 層から産出するベレムナイトの化石です。最近ではPDB標準試料の枯渇のためVPDBが用いられます。(Coplen, 1994)
炭素安定同位体比は試料が産出した環境の情報を知るうえで重要な指標となります。
試料の安定同位体比は試料が存在した環境の安定同位体比を反映するからです。例えば海洋性の貝ではδ13Cは -1から+4 o/ooの範囲にあるのが一般的です。
一方陸生の貝では-8から-12 o/ooとなります。貝試料の生息環境が不明な場合は炭素安定同位体比を測定することによって推測することができます。

同位体分別効果は自然の作用以外でも起こります。
例えば実験の過程で、ある段階から次の段階に移る時、転換が不完全ですと同位体分別が生じます。液体シンチレーション法の場合ですと、炭化リチウム処理時にアセチレンの合成が不完全ですと同位体分別が起こります。
同様に、真空ライン中でガスを移動させる際、全ガスが完全な平衡状態でなければ同位体分別が起こります。次の段階へ進むときに(e.g. 固体から気体へ、アセチレンからベンゼンへなど)転換が完全であればこのような同位体分別は起こりません。

Conventional radiocarbon ages (BP) とC13/12 補正

Radiocarbon 誌のStuiver and Polach (1977)の著作によって放射性炭素年代(conventional radiocarbon age (CRA))が定義されました。

The Conventional Radiocarbon Age BP は次式によって計算されます。

t=-8033 ln(Asn/Aon)

ここでは、
-8033 は炭素14の平均寿命 (Stuiver and Polach, 1977)
Aon は現代標準のアクティヴィティ(cpm )
Asn は測定試料のアクティヴィティ(cpm )

を指します。

この放射性炭素年代(Conventional Radiocarbon Age)は、

  • リビーの半減期を用いること
  • Oxalic Acid I or II もしくはそれに準拠する標準試料を用いること
  • 安定同位体(C13)を-25‰に規格化することによって同位体分別の補正を行うこと
  • AD1950を基準年(0 yBP) とすること
  • 放射性炭素濃度は一定であったと仮定する

とされています。

また誤差は統計誤差を用い、炭素年代測定の結果の報告書には “±” と記されます。

参考:

1. Royal Ervin Taylor, Radiocarbon Dating: An Archaeological Perspective (1987), Academic Press