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トレーサーフリーのAMSラボを選んでいますか?

February 5, 2018

放射性炭素測定機関を選ぶとき、ご注意いただきたいことがいくつかあるのですが、その一つが「トレーサーフリーラボであるかどうか」という点です。
トレーサーフリーとは、人工14Cを含む試料を取り扱わない施設のことを指します。

弊社は、ISO/IEC 17025:2017という試験機関としての最高レベルという認定を受けています。 その高い品質を守る一つの取り組みとして、弊社はトレーサーフリーラボとして、薬物動態研究用のC14トレーサー・サンプルやその他の人工的にC14を付与された試料は一切お引受けしておりません。 その大きな理由は、クロス・コンタミネーションの危険を避けるためです。

※すぐに試験依頼をご希望の方・・・弊社ウェブサイトからご連絡ください。
※「放射性炭素年代測定って何?」とご検索して、当ブログを訪問してくださった方・・・放射性炭素年代測定の基礎知識をご覧ください。

クロス・コンタミネーションの危険とは?

製薬会社における薬物動態研究では、放射性物質を含むサンプルを用います。
生物医学に加速器を利用する試験所では、薬物分子内の12Cとの置き換えが容易で取扱いも比較的安全なため、14C(放射性炭素)がトレーサーとして使用されています。 しかし、トレーサーとして使用される14CはAMS(加速器質量分析装置)自体にとっても、それを所有するにおいても、放射性炭素年代測定用の試料との汚染の原因となることがあります。 こうした研究で使用される人工の14Cは、自然発生のC14濃度に比較して、非常に高い濃度で付与されているため、一度AMSラボが使用すると、その影響を取り除くことは難しく、クロスコンタミネーションは不可避となります。 よって、生物医学用の施設では汚染レベルが許容範囲であっても、われわれのような 炭素年代測定機関では、受け入れられません。

生物医学用のAMS施設では、定期的に、トレーサーレベルで14Cを含む試料を測定しており、その試料の数は、考古学、地質学、水文学で得られるような試料数と比較して、数百から数千倍にも上ります。また、生物医学用試料の14Cの濃度は、非常に高いため、同じ人間が試料を扱うだけでも、汚染のリスクが発生します。学者のZermeñoが「hot lab(人工14Cを付与した試料を取り扱うラボ)の人間は、natural lab(自然発生の14Cだけを含む試料を取り扱うラボ)に入ってはいけないし、その逆も然りである」 (Zermeño et al. 2004, pg. 294) と述べているように、この2つの作業は、必ず分かれて行うべき作業なのです。人員、機械、そして、化学処理ラインを共有するということには、考古学、地質学、水文学の自然レベルの14C試料を汚染する危険が常に付きまといます。

コンタミリスクを避けるために確認すべき3つのこと

放射性炭素年代測定に使用予定のラボには、以下のことを必ず確認してください。

  1. トレーサー14Cまたは「hot」とラベリングされた14Cを含む試料の受入れ、取扱い、グラファイト化、AMSでの測定を行った実績がなく、今後もしない予定である
  2. トレーサー14Cまたは「hot」とラベリングされた14Cを含む試料を扱った(前処理や燃焼、酸性化、グラファイト化などを行った)人間と、ラボ内のスペース、機械、人員などを共有した実績がなく、今後もしない予定である
  3. トレーサー14Cまたは「hot」とラベリングされた14Cを含む試料の測定には、ビームラインコンポーネントを一部またはすべてに含むAMSの測定システムを使用している

Beta Analyticはトレーサーフリーラボ

近年、米国政府の契約では、入札に応募するにはAMSラボは14Cトレーサーフリーの施設でなければならないと明記し始めていることからも、このコンタミネーションのリスクの高さ、影響が大きさがわかると思います。 研究者の方には、是非トレーサーフリーのラボを使用することをお勧めいたします。

トレースフリーについての詳細はこちらのページでもご紹介しています。